はじめに
2025年8月、カリフォルニア州で審議されている「AB495法案」が大きな波紋を呼んでいます。
本法案は「家族準備計画法案」とも呼ばれ、移民家族を保護することを目的としていますが、保守派の牧師や親の権利団体からは「危険な法律」として強い反発が起きています。
本記事では、法案の内容、支持派と反対派の主張、そして今後の影響について解説します。
参考記事:カリフォルニア州の牧師が州議会議事堂で集会を主導、「危険な」法案が可決された場合、親たちは州から逃げるよう警告
(FOXNEWS)
AB495法案の内容とは?

AB495法案の内容とは?
AB495は、移民法執行などにより親が拘束や送還される場合、子どもが突然親を失わないように保護者(ケアギバー)の範囲を拡大する法案です。具体的には:
- 親族、または「子どもと確立した家族的・指導的関係を持つ大人」が子どもの“養育者”として認められる。
- 養育者は、子どもの学校入学手続きや、学校関連の医療に同意する権限を持つ。
- ただし、法的な親権や監護権そのものを付与するわけではない(提案者の説明)。
反対派の懸念

反対派の懸念
カルバリー・チャペル・チノヒルズのジャック・ヒブス牧師は、この法案に強く反対しています。
- 親の権利を侵害する危険
親以外の大人が実質的に親の役割を果たせてしまう。 - 身元確認が不十分
学校は写真付きIDの確認や身元調査を義務付けられていない。 - 悪用リスク
法律専門家の意見として「人身売買業者や小児性愛者の夢が実現するような内容」と批判。 - 家族への警告
ヒブス牧師は「成立すれば子どもを守るために州外へ逃げるべき」とまで発言。
支持派の立場

支持派の立場
一方で、法案を推進するセレステ・ロドリゲス州議員らは次のように説明しています。
- 法案は移民家庭を守る人道的措置である。
- 法的・物理的な監護権を与えるものではない。
- 目的は、子どもが親の不在によって教育や医療を受けられなくなる事態を防ぐこと。
政治的背景

政治的背景
- カリフォルニア州は全米でもっともリベラルな移民政策を推進している州の一つ。
- 牧師ヒブス氏はニューサム知事を名指しで批判し、2028年大統領選出馬の噂と結び付けて「責任を取らせるべき」と訴えています。
- この論争は「移民保護 vs 親の権利」という構図にとどまらず、全米政治に影響を与える可能性があります。
Q&A:AB495についてよくある質問

Q&A:AB495についてよくある質問
Q1. AB495は親の権利を奪う法律ですか?
A. 法案提案者は「親権を奪うものではない」と説明しています。
ただし、反対派は実質的に親の同意なしに学校関連の決定が可能になる点を懸念しています。
Q2. 誰が養育者になれるのですか?
A. 親族や、子どもと「家族的・指導的関係」を持つ人物が対象となります。
ただし、この定義が曖昧だと指摘されています。
Q3. 学校は身元を確認しなくてよいのですか?
A. 現行の条文では、学校に厳格な身元調査義務はありません。これが最大の懸念点となっています。
Q4. この法案はカリフォルニア州だけのものですか?
A. はい。
ただし、反対派は「成立すれば他のリベラル州でも同様の法案が広がる」と警戒しています。
まとめ

まとめ
AB495をめぐる論争は、単なる移民政策にとどまらず「親の権利」「子どもの安全」「政治的駆け引き」が複雑に絡み合っています。今後の審議次第では、全米規模で大きな議論に発展する可能性があります。