
住宅購入で夫婦の収入合算を行い、ペアローンを組むケースがあります。このとき気になるのが、団体信用生命保険(団信)への加入です。
「夫だけ加入」「妻だけ加入」など、片方だけ団信に入れるのは可能なのでしょうか?
今回は、リスクをシミュレーションしてわかりやすく解説します。
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団信の基本ルール

団信の基本ルール
団信とは、住宅ローン契約者が死亡または高度障害になった場合に、ローン残高が保険で支払われる仕組みです。
- 夫婦のペアローンは、それぞれ別契約扱い
- 団信は契約者本人のローンしかカバーしない
- 原則として、ローンを組む人は必ず団信加入が求められる
(参考:住宅金融支援機構「フラット35の団体信用生命保険」 https://www.flat35.com/service/shohin/insurance.html)
団信加入のパターン別リスクシミュレーション

団信加入のパターン別リスクシミュレーション
前提条件
- 夫:借入額 3,000万円
- 妻:借入額 2,000万円
- 合計:5,000万円の住宅ローン
ケース①:夫婦ともに団信加入(おすすめ)
- 夫が死亡 → 夫のローン3,000万円は保険で完済、妻のローン2,000万円は残る
- 妻が死亡 → 妻のローン2,000万円は保険で完済、夫のローン3,000万円は残る
安心度:高い
両方団信に入ることで、万一のリスクが最小化されます。
ケース②:夫のみ団信加入
- 夫が死亡 → 夫のローン3,000万円は保険で完済、妻のローン2,000万円は残る
- 妻が死亡 → 妻のローン2,000万円は保険対象外、夫のローン3,000万円も残る
リスク:高い
片方だけ加入の場合、残された配偶者に大きな返済負担が残ります。
ケース③:妻のみ団信加入
- 妻が死亡 → 妻のローン2,000万円は保険で完済、夫のローン3,000万円は残る
- 夫が死亡 → 夫のローン3,000万円は保険対象外、妻のローン2,000万円も残る
リスク:高い
夫のみ未加入の場合、妻に返済負担が集中します。
ケース④:夫婦とも団信未加入
- どちらかが亡くなっても、ローンは残る
- 相続人(配偶者・子ども)が残債を返済する必要がある
リスク:極めて高い
※フラット35など、団信加入が任意の商品でのみ選択可能
まとめ

まとめ
- ペアローンでは、団信はそれぞれのローン契約者が加入するのが原則
- 「片方だけ加入」も場合によっては可能(フラット35の任意加入や健康上の理由で団信不可の場合)
- しかし片方だけ加入の場合、残された配偶者に大きな返済リスクが残る
- 万一のリスクを考えると、両方加入するのが最も安心
💡ポイント
ペアローンは「片方がゼロになっても、もう片方のローンは残る」という構造です。
団信に加入していないローンが残ると、残された配偶者や相続人に負担が集中するため、慎重に検討することが重要です。
参考情報
- 住宅金融支援機構「フラット35の団体信用生命保険」
https://www.flat35.com/service/shohin/insurance.html - 金融庁「住宅ローンの基礎知識」
https://www.fsa.go.jp/policy/shohin/loan/index.html