分譲マンションの管理業者の運営状況をチェックする「監事」
国土交通省は、分譲マンションの管理組合の運営を管理業者に委託している場合、業者の運営状況をチェックする「監事」を設けるよう管理指針を見直す方針を固めた。
監事の設置は、管理業者による不正や不当な利益獲得を防止し、管理組合の健全な運営を図ることが目的だ。
監事は、税理士やマンション管理士などの専門家から選任され、管理業者の収支状況や修繕工事の契約内容などをチェックする。
また、管理業者の選任や解任、修繕工事の契約など、重要な事項については、監事の同意を得るようにする。
この改定案は、26日に開かれる有識者会議で示される予定で、来春にも運用が開始される見通しだ。
分譲マンションの管理で、管理業者に任せきりにするのは危険
分譲マンションの管理は、住民が組成する管理組合が担うのが原則だ。しかし、役員のなり手不足などの理由から、管理業者に運営を委託する「第三者管理方式」が増加している。
第三者管理では、管理業者に住民の目が行き届かなくなり、不正や不当な利益獲得が起きるリスクが高まる。
監事の設置は、こうしたリスクを軽減し、分譲マンションの健全な運営を図るために不可欠な措置だ。
監事を選ぶ際には、専門性や独立性を重視
監事は、管理業者の不正や不当な利益獲得をチェックする重要な役割を担う。そのため、監事を選ぶ際には、専門性と独立性が重要だ。
監事として選任できるのは、税理士やマンション管理士などの専門家で、管理業者と利益相反の関係にないことが求められる。
また、監事は、管理業者から独立した立場で業務にあたることが重要だ。そのため、監事報酬は、管理組合から支払われるべきだと考える専門家もいる。
管理組合の住民は、監事の選任にあたっては、専門性と独立性を重視し、適任者を選ぶようにしたい。