
「130坪の土地が相場の半額で売り出されている!」
一見するとお得に感じますが、こうしたケースには必ず理由があります。今回は、実際の相談事例をもとに「司法書士売主指定・境界標非明示・現況引渡し・景観法の制限」という条件付き土地を購入するときに注意すべきポイントを、図表や具体的事例を交えて詳しく解説します。
✅ 契約条件ごとのリスク解説

契約条件ごとのリスク解説
1. 司法書士売主指定
通常は買主が司法書士を選べますが、売主指定の場合は以下のようなリスクがあります。
項目 | 注意点 |
---|---|
費用 | 売主側とつながりのある司法書士は報酬が高めに設定される場合あり |
公平性 | 手続きが売主に有利に進む可能性 |
対応 | 細かい相談や調整がしにくいケースも |
👉 買主に不利にならないよう、事前に費用の明細を確認しましょう。
2. 境界標非明示
最大のリスク要因です。境界が不明確だと、登記簿上の面積と実際の面積が異なることがあります。
事例:
- 広告には「130坪」と記載
- 実際に測量してみると「100坪」しかなかった
- 売主は「現況引渡し+免責」で責任を取らない
👉 この場合、買主は30坪分の損をしても泣き寝入りすることになります。
3. 現況引渡し
土地や建物に欠陥があっても、そのまま受け入れる条件です。
想定されるリスク | 費用負担 |
---|---|
古家にシロアリ被害 | 解体時に追加費用 |
地中に廃棄物埋設 | 撤去費用が数百万円になることも |
地盤沈下 | 改良工事に数百万円~ |
👉 「見た目がきれい」だけでは判断できません。専門家に調査してもらうのが安心です。
4. 景観法による制限
景観法エリアでは、以下のような制限があります。
- 建物の高さ(例:10mまで)
- 外壁の色(派手な色は禁止)
- 屋根の形状や材質
事例:黒い外観のモダン住宅を建てたかったが、景観法で「茶系・グレー系」しか認められず、計画を断念。
👉 必ず役所の都市計画課で確認を。
✅ なぜ安いのか?安くなる代表的な理由

なぜ安いのか?安くなる代表的な理由
理由 | 内容 |
---|---|
境界未確定 | 面積トラブルのリスク |
現況引渡し+免責 | 瑕疵があっても売主は責任を取らない |
景観法エリア | 自由な建築ができない |
旗竿地 | 利便性や人気が低く、買い手が少ない |
私道持分なし | 通行や工事の際にトラブルになる |
👉 「相場の半額」には、必ず落とし穴が隠れています。
✅ 不動産会社に必ず確認すべきチェックリスト

不動産会社に必ず確認すべきチェックリスト
- 売買形態は「公簿売買」か「実測売買」か
- 境界確定測量は済んでいるか/費用負担は誰か
- 契約不適合責任は全面免責か(一部残す余地はあるか)
- 景観法による具体的な制限内容
- 旗竿部分に他人の通行権利はないか
- 接道する道路は公道か私道か(私道なら持分ありか)
- 相場より安い理由を正直に説明してもらえるか
✅ 実際の契約書・重要事項説明書でチェックすべき項目

実際の契約書・重要事項説明書で
チェックすべき項目
以下は、実務で必ず確認しておくべき部分です。
書類 | チェックポイント | 注意点 |
---|---|---|
売買契約書 | 「売買面積は公簿による」か「実測精算あり」か | 公簿売買は面積誤差があっても返金なし |
契約書特約 | 「契約不適合責任を負わない」と記載があるか | 免責なら欠陥があっても補償なし |
重要事項説明書 | 接道の種類(公道/私道)、持分の有無 | 私道で持分なしは要注意 |
重要事項説明書 | 建築基準法・景観法の記載 | 建築制限の有無を確認 |
公図・測量図 | 隣地との境界線が明示されているか | 境界不明ならトラブルリスク大 |
👉 書類を読んでも分からなければ、必ず専門家(司法書士・土地家屋調査士)にチェックしてもらいましょう。
✅ 図解で理解:土地購入の流れとリスクポイント

土地購入の流れとリスクポイント
広告を見る → 現地確認 → 重要事項説明 → 契約
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相場より安い? 条件を確認
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境界未確定や制限 → 安さの裏には必ず理由あり!
✅ まとめ

まとめ
- 相場より安い土地は「境界未確定」「免責」「景観制限」など、買主がリスクを背負う条件が多い
- 契約書・重要事項説明書にはリスクが明記されているので、必ず精読し、分からなければ専門家に確認
- 「なぜ安いのか?」を不動産会社に正直に説明してもらえるかが最大のポイント
土地購入で最も大事なのは価格ではなく“安心して住めるかどうか”です。