基礎年金3割増、本当に得するの？ 厚生年金との関係は？

厚生労働省が提案した「基礎年金3割底上げ案」は、国民年金の給付水準を約30%引き上げることを目的としています。

この改革案は、将来の低年金受給者を減少させるために、厚生年金の積立金を活用することを前提としています。

具体的には、基礎年金の給付水準を引き上げることで、2036年度まで続く基礎年金の減額期間が短縮され、受給者は早期に恩恵を受けることができます。

しかし、この改革案にはいくつかの懸念があります。厚生年金の受給者に対しては、2040年度まで受給額が減少するという試算が示されています。

具体的には、平均的な賃金で40年間働いた夫婦モデルでは、基礎年金の底上げにもかかわらず、月額約7000円減少する可能性があります。これは、厚生年金の「2階部分」の受給抑制期間が延びるためです。

さらに、この改革案は国庫負担の増加を伴います。基礎年金の半分は国庫からの負担で賄われているため、給付水準の改善に伴い、将来的には年間で最大2.6兆円の追加財源が必要になるとされています。

これに対しては、企業からの保険料負担増加に対する反対意見も存在します。

このように、「基礎年金3割底上げ案」は多くの利点を持つ一方で、その実施には財政的な課題や受給者間での不平等感を生む可能性もあるため、今後の議論と調整が求められます。

年金制度が変わるって、どういうこと？

皆さんが将来もらう年金について、大きな変化が起きるかもしれません。政府は、国民年金（基礎年金）の金額を3割も増やそうと考えています。これは、今の若い世代が将来、年金をもらうときに、もっと生活しやすいようにするためです。

なぜ、年金を増やそうとしているの？

• 将来の年金が減ってしまうのを防ぐため
  今は年金をもらう人が増えているので、将来は年金の金額が減ってしまう可能性があります。それを防ぐために、今のうちから年金の金額を増やそうという考えです。
• 若い世代の不安を解消するため
  将来、年金だけでは生活できないのではないかという不安を感じている人がたくさんいます。この改革は、そんな不安を少しでも解消するために考えられたものです。

でも、デメリットもあるの？

• 他の年金が減ってしまうかも
  国民年金の金額を増やす代わりに、他の年金（厚生年金）の金額が減ってしまう可能性があります。特に、会社員の人がもらう厚生年金は、しばらくの間は減ってしまうかもしれません。
• 国のお金がたくさん必要になる
  国民年金の金額を増やすためには、国がたくさんのお金を使う必要があります。そのため、税金が増えたり、他の国の事業にお金が使えなくなったりする可能性もあります。
• まだ分からないこともたくさんある
  この改革はまだ決まったわけではありません。これから、色々な人が意見を出し合い、どうすれば良いのかを話し合っていく必要があります。

まとめ

この改革は、将来のあなたの人生に大きな影響を与える可能性があります。ぜひ、このことを家族や周りの人と話し合ってみてください。また、ニュースやインターネットなどで、この改革について詳しく調べてみることも大切です。

ポイント

• メリット: 将来の年金が安定する可能性がある
• デメリット: 他の年金が減る可能性がある、国のお金がたくさん必要になる
• まだ決まっていない: 今後、色々な人が意見を出し合い、話し合っていく

【さらに詳しく知りたい方へ】

• 基礎年金
  国民全員が加入する年金で、老齢、障害、遺族の3つの種類があります。
• 厚生年金
  会社員や公務員などが加入する年金で、国民年金に上乗せして受け取ることができます。
• 年金改革
  年金制度をより良いものにするために、政府が行う改革のことです。

基礎年金3割底上げ案に関するQ&A

Q1. 基礎年金が3割増えるって、具体的にどのくらいの金額になるんですか？

A. 基礎年金の金額は、加入期間や収入によって異なりますが、今回の改革で平均的に約3割増える見込みです。

例えば、現在の月額6万円の基礎年金が約7万8千円になるといったイメージです。

ただし、厚生年金の金額が減る可能性があるため、全体的な年金額は人によって変わります。

Q2. なぜ厚生年金の金額が減ってしまうんですか？

A. 基礎年金の金額を増やすために、厚生年金の積立金が使われるからです。

厚生年金の積立金は、将来の厚生年金の支払いに充てられるお金ですが、今回の改革で基礎年金に回されるため、厚生年金の支払いに使えるお金が減ってしまいます。

結果として、厚生年金の受給額が減ってしまうのです。

Q3. 国の負担が増えるって、どういうことですか？

A. 基礎年金は、半分を国が、もう半分を私たちが払った保険料で支えています。基礎年金の金額が増えれば、国が負担する金額も増えることになります。

政府は、この増えた負担をどうやってまかなうのか、具体的な財源を検討する必要があります。

Q4. この改革で、誰が一番得をするんですか？

A. 一概に誰が一番得をするとは言えません。

国民年金しか受け取らない人にとっては、年金額が増えるので大きなメリットとなります。

しかし、厚生年金も受け取っている人にとっては、厚生年金の金額が減る可能性があるため、必ずしも得になるとは限りません。

Q5. この改革は、将来の年金制度にどんな影響を与えるんですか？

A. この改革は、将来の年金制度に大きな影響を与える可能性があります。

国民年金の給付水準が向上することで、高齢者の生活が安定する一方で、厚生年金の財政状況が悪化し、将来の年金制度の持続可能性が危うくなる可能性も指摘されています。

今後の社会の変化や経済状況を踏まえ、年金制度全体を見直す必要があるでしょう。

これらのQ&Aは、あくまで基礎年金3割底上げ案について簡潔にまとめたものです。より詳細な情報を知りたい場合は、厚生労働省のホームページや専門家の意見などを参考にしてください。

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