2025年4月、群馬県神流町で水道水を飲んだ住民14人が下痢や腹痛などの症状を訴える事件が発生しました。
県は検査の結果、細菌「カンピロバクター」による食中毒と断定。供給元の「相原配水池」の水質基準が水道法に適合していなかったことも明らかになり、全国で不安の声が広がっています。
この記事では、
- 事件の詳細
- カンピロバクターとは何か
- 水道水による食中毒を防ぐための方法
をわかりやすく解説します。
🔍 水道水を飲んで14人が体調不良

群馬県の発表によると、2025年4月11日ごろから、神流町の住民14人が相次いで体調不良を訴えました。
主な症状は以下の通りです。
症状 | 人数(14人中) |
---|---|
下痢 | 多数 |
腹痛 | 多数 |
発熱 | 一部 |
全員が共通して飲んでいたのは、町が管理する「相原配水池」から供給された水道水でした。
県の検査では、14人中4人からカンピロバクター菌が検出され、水道水が感染源であると断定されました。
現在、14人はいずれも回復傾向にありますが、神流町は当面、飲料としての水道水の使用を控えるよう呼びかけ、ペットボトル水の配布を行っています。
🦠 「カンピロバクター」とは? 食中毒の原因菌

カンピロバクターは、主に鶏・牛・豚などの家畜や野生動物の腸内に生息する細菌で、汚染された水や食品を介して人に感染します。
【主な感染経路】
- 汚染された水道水や井戸水
- 加熱不十分な鶏肉
- 手洗い不足の調理器具や手指
【症状と潜伏期間】
症状 | 特徴 |
---|---|
下痢・腹痛・発熱 | 多くは軽度~中等度 |
潜伏期間 | 通常2~5日 |
まれに「ギラン・バレー症候群」という神経疾患を引き起こすこともあるため、油断は禁物です。
⚠ なぜ水道水から? 水道法違反の可能性も

水道水は本来、塩素などで消毒処理され、安全基準に適合した状態で供給されます。
しかし今回は、
- 配水池の管理不備
- 未処理水の混入
などが疑われており、水道法の水質基準に違反していたとされています。
📉 水道インフラの老朽化と過疎地の現実
神流町は山間部にある人口1000人未満の過疎自治体。
インフラの維持管理には限界があり、
「人手不足や予算の制約から、サンプリング検査などが不十分だったのでは」との指摘もあります。
💡 水道水による感染を防ぐには?5つの予防法

全国どこにいても、今回のような事態が「他人事ではない」と気づかされます。
特に暑くなるこれからの季節は、水の摂取量も増え、感染リスクも高まります。
以下は、家庭でできる水の安全対策です。
✅ 1. 煮沸する(沸騰後1分以上)
最も手軽で確実な殺菌法です。特に、
- 井戸水
- 長時間使っていなかった水道
- 臭いや濁りを感じた水
などは、必ず煮沸してから使用しましょう。
✅ 2. 浄水器を設置する(※除菌機能付き推奨)
水道管の老朽化や経路の汚染を考えると、家庭用の浄水器も有効です。
特に、
- 除菌フィルター付き(中空糸膜など)
- 活性炭タイプ(塩素臭の除去) などを選ぶと、安心感が増します。
✅ 3. 貯水タンクや配水池の清掃確認
集合住宅や過疎地にお住まいの方は、
- 貯水槽が定期的に清掃・点検されているか
- 水質検査が実施されているか
を管理会社や自治体に確認しましょう。
✅ 4. 非常時用のペットボトル水を備蓄
災害時だけでなく、水道トラブルにも備えて、常時2~3日分の飲料水を保管しておくと安心です。
✅ 5. PFAS(有機フッ素化合物)への意識も忘れずに
昨今話題になっているPFAS(ピーファス)汚染は、長期間体内に残る「永遠の化学物質」として注目されています。
一部地域では水道水から基準を超えるPFASが検出されており、浄水器による除去や水の選択が今後ますます重要になります。
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📝 水道水は「命のインフラ」…だからこそ意識と対策を

今回の神流町での水道水由来の食中毒事件は、誰の身にも起こり得る問題を浮き彫りにしました。
水は毎日、無意識に口にするもの。
「当たり前の安全」は、実は努力と管理で成り立っているという現実を、改めて私たちは見つめ直す必要があります。
💡 今日からできる小さな対策こそが、大きな安心につながります。