ベトナム、二人っ子政策を廃止|出生率低下と男女比の歪みがもたらす深刻な課題とは?

2025年、ベトナムは数十年にわたって維持してきた二人っ子政策を正式に廃止しました。

これは、出生率の急低下と深刻な男女比の不均衡、そして若年人口の減少に直面したことが背景にあります。

参考記事 Fox News: Vietnam ends two-child policy amid population crisis(英語)

📉 ベトナムの出生率は危機的水準に

ベトナムの出生率は危機的水準に

以下の表は、ベトナムの出生率と男女出生比の推移を示したものです。

🔽【図表】ベトナムの出生率と男女出生比の推移(2006年〜2024年)

年度合計特殊出生率(人)男女出生比(女100人に対する男)
20062.10103
20132.05107
20201.98109
20241.91111

出典:UNFPA、Macrotrends、ベトナム国営メディア報道

都市部では特に出生率の低下が顕著で、ハノイやホーチミン市などでは1.5を下回るとも言われています。


🧓 高齢化と若年層の急減

高齢化と若年層の急減

ベトナムは「黄金人口(生産年齢人口の割合が高い時期)」の最中にありますが、国連人口基金(UNFPA)の報告によれば、以下のような人口構成の変化が起きています。

【図表】ベトナムの年齢別人口構成の推移

年代15歳未満 (%)15~64歳 (%)
過去(1979年)約43%約53%
現在(2024年)約24%約69%

🔍 高齢化の進行とともに、将来的な労働力不足が懸念されています。


⚠️ 男女比の不均衡と性別選択出産

男女比の不均衡と性別選択出産

ベトナムでは女児100人に対して男児111人が生まれるという異常な男女比が問題視されています。これは、性別選択的出産(選別妊娠)によるものとされ、政府は以下のような対応を強化しています。

🚨 性別選択行為への罰則強化

内容旧罰金額新罰金額
性別選択的行為に対する罰金約3,000万VND約1億VND(約4,000米ドル)

📌【保健省発表】倫理的・社会的リスクを回避するための厳罰化


🏛️ 二人っ子政策とは?なぜ廃止されたのか

二人っ子政策とは?なぜ廃止されたのか

項目内容
開始時期北部で1960年代に開始、1993年に国家政策として全国導入
政策目的人口爆発防止と「黄金人口」獲得
廃止理由出生率の急低下、男女比の歪み、若年人口の縮小、都市部の出産忌避
現状の対応子ども数制限の完全撤廃、性差別出産への罰則強化、出生奨励策の模索

❓ Q&A:ベトナムの人口問題についての疑問

Q&A:ベトナムの人口問題についての疑問

Q1:なぜベトナムで出生率が低下しているの?

A1: 都市部の生活費上昇、住宅事情の悪化、共働き家庭の増加などが主な要因です。特にホーチミン市やハノイでは、子育ての経済的負担が重くなっています。


Q2:男女比がここまで偏ったのはなぜ?

A2: 男児を望む文化的背景と、超音波などによる性別選択的妊娠中絶が広く行われたことが原因です。これにより男女比のバランスが著しく崩れました。


Q3:ベトナム政府はこれからどう対応するの?

A3: 二人っ子政策の撤廃に加え、今後は「ベビーボーナス」などの経済的支援や、性差別出産への罰則強化、育児支援策などが検討されています。人口バランスの是正が急務とされています。


📝 人口バランス回復へ、政策の転換が始まった

人口バランス回復へ、政策の転換が始まった

ベトナムは長年続けた人口抑制政策から出生奨励政策へと大きく舵を切りました。出生率低下と性別の偏りという二重の課題に直面する中、今後の対策の効果が注目されます。

➡️ 出生率が危機的状況にあるのはベトナムだけではありません。日本や韓国も同様の課題を抱えており、アジア全体での共通テーマになりつつあります。

🗾日本ではどうなのか?

2024年、日本の出生数が68万6,061人となり、統計開始以来初めて70万人を下回りました。

合計特殊出生率も1.15と過去最低を更新し、少子化の進行が深刻化しています。この状況を受け、日本政府は「異次元の少子化対策」として、さまざまな政策を打ち出しています。sdp.or.jp


📊 日本とベトナムの出生率比較

日本とベトナムの出生率比較

指標日本(2024年)ベトナム(2024年)
出生数68万6,061人約100万人超
合計特殊出生率1.151.91
男女出生比(女100人)約105人111人

日本は出生数・出生率ともに過去最低を記録し、ベトナムも出生率の低下と男女比の不均衡に直面しています。ベトナムは二人っ子政策を廃止し、出生率の回復を図っています。


🏛️ 日本政府の主な少子化対策

日本政府の主な少子化対策

政策項目内容
育児休業給付の引き上げ両親が育児休業を取得する場合、給付率を現行の67%から80%へ引き上げ(2025年度から)
男性の育児休業取得促進2030年までに男性の育児休業取得率を85%に引き上げる目標を設定
児童手当の拡充支給対象を高校生年代まで延長し、所得制限を撤廃。第3子以降の支給額は月3万円に倍増
こども誰でも通園制度の導入親の就労状況に関係なく子どもを預けられる制度を2026年4月から全国で開始
出産・子育て応援交付金妊娠届出時と出生届出時に計10万円相当の経済的支援を実施

❓ Q&A:日本の少子化に関するよくある質問

日本の少子化に関するよくある質問

Q1: 日本の出生率が低下している主な原因は何ですか?

A1: 主な原因として、若者の結婚・出産への意欲の低下、経済的負担、育児と仕事の両立の難しさ、長時間労働、保育施設の不足などが挙げられます。

Q2: 政府の少子化対策は効果を上げていますか?

A2: 政府はさまざまな対策を講じていますが、出生数や出生率の低下傾向は続いており、効果は限定的とされています。

Q3: 他国の少子化対策にはどのようなものがありますか?

A3: 例えば、フランスは育児支援の充実、スウェーデンは男女平等の育児休業制度、韓国は住宅支援などを実施しています。


日本とベトナムの少子化対策を比較すると、ベトナムは政策の転換により出生率の回復を目指しており、日本もさらなる効果的な対策が求められています。

政府の取り組みとともに、社会全体で子育てを支援する環境づくりが重要です。


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