今、「一回で合格」「日本の運転免許」というキーワードがSNSなどで話題になっています。
背景にあるのは、外国人による日本の運転免許取得(外免切替)の急増。なんと旅行者でも取得可能な今の制度に対し、安全面から見直しを求める声が高まっています。
なぜこんな事態に?

外免切替とは、本来外国の免許を持つ人が日本でスムーズに運転できるようにする制度です。ところが最近では、短期滞在の旅行者が「ホテルの住所」を使って免許を取得するケースが急増中。
その背景には、以下のような問題が指摘されています。
- 交通ルールの違う国から来たドライバーが日本で運転するリスク
- 一時滞在先(ホテルなど)では事故時の対応が難しい
- SNSなどで「一回で合格できた!練習不要!」と広まり、安易な取得が助長されている
結果として、日本の交通の安全に大きな懸念が生じています。
実際に何が起きている?

警察庁の統計では、2023年に外免切替で免許を取得した外国人は5万6000人超え。これは10年前の2倍以上。
特に東京・大阪・愛知などの都市部で申請が殺到し、各地の免許センターでは事前予約制が導入されています。
さらに現場では――
- 中国人旅行者が「日本の免許を取りたい」と現地通訳にサポートを依頼
- 日本の免許を取得すれば国際免許も発行可能なため、「海外で運転したいから」と申請する人も
【実例】
2023年、山梨県で旅行中の中国人が取得した日本の免許で運転し、同乗の中国人夫婦を死亡させる事故が発生。
2024年には、外国人ドライバーによる事故件数が7,286件で過去最多となり、社会的な注目が集まっています。
専門家の警鐘:制度見直しは時間の問題?

名古屋大学の加藤博和教授は、現行制度について次のように警告します。
「旅行者による免許取得は、制度の趣旨から逸脱している。
一時的な住所登録では事故時の対応に問題があり、制度全体の信頼性を揺るがす」
実際に2024年3月の国会でもこの問題が取り上げられ、今後の制度見直しが検討中です。
運転免許は“命を預かる資格”である

訪日外国人の増加により、利便性と安全性のバランスがますます求められています。
今後は、旅行者による取得制限や適性試験の厳格化などが進む可能性も。
日本の運転免許「一回で合格」と聞くと簡単そうに感じますが、実際は命を預かる大切な資格。
たとえ外国人であっても、日本の交通ルールを理解し、安全に運転する責任があります。
制度の“お得さ”よりも、“重み”を感じる時が来ているのかもしれません。